第三幕
目が覚めると、部屋には暁治一人だった。時刻はそろそろ明け方ごろだろうか。布団から手を出して、隣の窪みを触ると、まだ温かくてほっとする。 起きようとして、シーツに残る残り香に気づき、昨夜のことを思い出して一人悶えた。もしかして、と思う。まさ…
可惜夜に浮かれ烏と暁の月
第二幕
「美味しかったぁ!」ぽんぽんっと、朱嶺はお腹をさするとそのまま横になる。テレビからは今夜が初登板だというシンガーソングライターが、最近有線でよく流れている曲を歌っていた。「お腹いっぱい。いつもお代わり言わないでも、これくらい食べれたらなぁ」…
可惜夜に浮かれ烏と暁の月
第一幕
縁側から見える庭には、雪が降っていた。 ほの暗い外の景色は、屋内の明かりに照らされて、手前だけぼんやりと明るく見える。 ちらちらと白い雪が舞う庭は、人気もなくわびしさが漂う。 暁治はしばらく白い景色を眺めていたが、やがてさてと振り向くと…
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可惜夜に浮かれ烏と暁の月
Twitterリレー小説企画可惜夜に浮かれ烏と暁の月作者:はづき&るし更新しました♪番外編・立春你回来了――東風解凍(こちこおりをとく)全三話リレーの相方るしさんがエンディング後の二人を書いてくださいました。ほっこりいちゃいちゃラブラブな二…
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末候*鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)
もうすぐ一年が巡る。 朱嶺に出会って、春夏秋冬と季節をまたいだ。最初の頃は、まったく信じていなかった、妖怪たちの存在がいつしか日常に変わった。「暁治さんはお料理が上手ねぇ」「ああ、まあ、だいぶ慣れました」 日がうっすらと昇る頃、台所では朝…
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Twitterリレー小説企画可惜夜に浮かれ烏と暁の月作者:はづき&るし※不定期更新更新しました♪第二十四節気 大寒 末候鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)鶏が卵を産み始めるほんのり和風ファンタジー風味。Twitter先行投稿、他サイトにも…
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次候*水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
しゅんしゅんと、ストーブの上でやかんが湯気を立てるのは、冬らしくていい。マグカップに沸いた湯を注いだら、甘いコーンの香りが漂った。 居間のこたつで暁治はほう、と息をつく。 寒い冬に、コーンポタージュスープは身に染みる。少しだけ牛乳をプラス…
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Twitterリレー小説企画可惜夜に浮かれ烏と暁の月作者:はづき&るし※不定期更新更新しました♪第二十四節気 大寒 次候水沢腹堅(さわみずこおりつめる)沢に氷が厚く張りつめるほんのり和風ファンタジー風味。Twitter先行投稿、他サイトにも…
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初候*款冬華(ふきのはなさく)
一月も半ばを過ぎ、雪が降り積もる毎日。都会ではお目にかかることができない、銀世界だ。積雪は一メートル、あるとかないとか。 雪を掻いても掻いても終わらないが、寒さで冬ごもりしたくなる。 そんなことを考えながら、暁治は居間から見える庭を眺め、…
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Twitterリレー小説企画可惜夜に浮かれ烏と暁の月作者:はづき&るし※不定期更新更新しました♪第二十四節気 大寒 初候款冬華(ふきのはなさく)蕗の薹(ふきのとう)が蕾を出すほんのり和風ファンタジー風味。Twitter先行投稿、他サイトにも…
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