可惜夜に浮かれ烏と暁の月

　二人でしっぽり温泉旅行、のはずが、なぜだか家族旅行にようになったあのあと。一人、留守番となった桜小路の家へ暁治は向かった。　同じく留守番になっていた、子猫の雪を迎えに行くためだ。　本当ならば、雪も幽世に連れてこられたらしいのだが、さすがに…

Twitterリレー小説企画可惜夜に浮かれ烏と暁の月作者：はづき＆るし※不定期更新更新しました♪第二十二節気　冬至初候乃東生（なつかれくさしょうず）夏枯草が芽を出すほんのり和風ファンタジー風味。Twitter先行投稿、他サイトにも転載して…

Twitterリレー小説企画可惜夜に浮かれ烏と暁の月作者：はづき＆るし※不定期更新更新しました♪第二十一節気　大雪末候鱖魚群（さけのうおむらがる）鮭が群がり川を上るほんのり和風ファンタジー風味。Twitter先行投稿、他サイトにも転載して…

　温泉とは、火山活動や地熱で温められたお湯が沸いた場所、あるいはそのお湯のこと。であるらしい。「わ～い、はる。貸し切りみたいだよ！」　先に戸口を潜った朱嶺は、はしゃいだ声を上げ、こっちだと暁治に手を振った。　目の前には湯口から、こんこんと温…

「いやいやいや、ちょっと待ってくれ。なんでお前が……て、夢の中！？」　暁治が慌てて周りを見てみると、周りはどことも知れぬ真っ白な空間。ぷかりと浮いたように二人して座り込んでいた。　目の前の朱嶺は、暁治のように動じもせず、徳利をこちらに差し出…

Twitterリレー小説企画可惜夜に浮かれ烏と暁の月作者：はづき＆るし※不定期更新更新しました♪第二十一節気　大雪次候熊蟄穴（くまあなにこもる）熊が冬眠のために穴に隠れるほんのり和風ファンタジー風味。Twitter先行投稿、他サイトにも転…

　窓を開けると、一面雪景色だった。「すごいな」　思わず感嘆の声が漏れる。祖父の故郷に来たときは、ところどころ雪が残っていたけれど、ここまで本格的な積雪を見たのは久しぶりである。「はるはるっ、こっちに露天風呂もあるよ！」　はしゃいだ声をあげる…

Twitterリレー小説企画可惜夜に浮かれ烏と暁の月作者：はづき＆るし※不定期更新更新しました♪第二十一節気　大雪初候閉塞成冬（そらさむくふゆとなる）天地の気が塞がって冬となるほんのり和風ファンタジー風味。Twitter先行投稿、他サイト…

　冬と言えばこたつ、こたつと言えばやはりみかん。と、誰が言い始めたのか。いつに増してこたつの恋しい季節になり、宮古家のこたつは近頃満員だ。　朱嶺にキイチに桃に桜小路。四つのスペースはすでに埋まっている。しかしすぐさま気づいた、朱嶺が自分の隣…

Twitterリレー小説企画可惜夜に浮かれ烏と暁の月作者：はづき＆るし※不定期更新更新しました♪第二十節気　小雪次候橘始黄（たちばなはじめてきばむ）橘の実が黄色くなり始めるほんのり和風ファンタジー風味。Twitter先行投稿、他サイトにも…