独り占めしたい

君を待つ年の瀬

 大晦日の夜――一人こたつに入ってぼんやりテレビ画面を見つめる。時刻は二十時半、あと三時間も過ぎれば今年が終わる。今年を振り返るとそれほど楽しい思い出があるわけではなかった。 けれど秋頃に恋人との関係が進展した。いままで飛び出したら飛び出し…

独占的04

 初めて好きだと告げたのは中学一年の夏。胸を高鳴らせて告げた言葉に、鷹くんは笑って俺も好きだって言った。でもその時はまだ僕の本当の気持ちは伝わっていなくて、必死な僕を見て不思議そうな顔をしていた。 それから僕はことあるごとに好きだと繰り返し…

独占的03

 僕は生まれてからいままでずっと、親にも周りにも手のかからない子だと言われてきた。自分のことが自分で出来ない物心つく前も、夜泣きも騒ぎもしない大人しい子だとありがたがられていた。 それに比べたら明博なんてね、とかよく兄と比べられていたっけ。…

独占的02

 他人の感情はひどく生ぬるくて絡むようにまとわりついてくる。それに気づいた時には息苦しさを覚えていた。だから曖昧に微笑んで、その場をやり過ごす。寄せてくる波が過ぎ去るのを待つように、息を潜めてただそこに立ち尽くした。 だけどいつだって僕の前…

独占的01

 一緒にいられたのはたった一年。春の訪れと共に鷹くんは高校を卒業していき、大学生になってしまった。僕も卒業したら同じ大学に行きたいと思っていたのだけれど、鷹くんは服飾専門の大学に入ってしまったので、あとを追うに追えない。興味もないのに追いか…

独り占めしたい

 いつも一足先へ進んでしまう彼の背中を見て、酷く苛々としたもどかしい感情を抱いていた。追いかけて手を伸ばしても、その手を取ることなく笑って走り出してしまう彼。 自由奔放と言えば聞こえはいいが、いつでも彼は気まぐれだ。たまにやって来てはうちで…

独占欲

 僕にはそれはそれはもう可愛くて仕方がない恋人がいる。小さくてキラキラでちょっと素直ではない二個上の彼氏。普段は無口で、視力が弱いので眉間にしわが出来て目つきが悪い。それゆえに周りからは怖がられることが多い。しかしいざベッドの中となると、胸…