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可憐に色づく果実※

 色白な肌に色づいた尖りはよく映える。すごくおいしそうな果実のようで、いつも唾液でべたつくほど舐めてしまう。 だけどそこだけじゃなくて身体付きからして旨そうに見える。体型はどちらかと言えば細身。だけど昔スポーツをやっていたらしく細いながらも…

淡くほのかに浮かぶ花※

 ほのかに灯る間接照明が部屋の中を照らし、肌に影を落としながら柔らかく輪郭を浮かび上がらせる。ベッドに押し倒した身体にまたがると、まだ恥じらいを残した目がまっすぐに俺を見つめた。 もう数えていられないくらいしたのに、いつも初めてみたいな顔を…

ゆっくりと熟れていく花の果実

 いままでとなにが違うんだろう。これまでだってまっすぐに相手のことを好きでいた。その想いに優劣はないと思う。だけど――自分に問いかけてみれば心は正直な答えを導き出す。明らかに違うのは相手から与えられる感情の大きさだ。 冬悟は俺が想う以上の愛…

世界で一番愛おしい花

 後ろめたさはどうしても抜けない。自分が普通じゃないことに戸惑った時期もあった。無理をして女の子と付き合ったこともある。だけどそんなことをしたって本能には逆らえない。心が動かないんだ。視線が追いかけるのも、気持ちが揺れ動くのも同性だけ。 歳…

どんなに願っても実を結ばない花もある

 すぐに帰ると駄々をこねる光喜に急かされてタクシーを呼んで、今度は風に当たりたいという我がままに呆れながら小津へ視線を送る。俺の視線に緊張した面持ちで彼は自分勝手な王子さまに手を伸ばした。「光喜くん、まっすぐ立って」「えー、無理」 よたつい…

甘やかな花の香りには抗えない

 三十路にもなって純情かよ、と突っ込みたくなるが、デカい見た目に反した小動物みたいな心臓なんだろう。あたふたとしている姿は実に微笑ましい。こういうタイプって母性本能くすぐられる感じだろうな。 ずるずるとうどんを啜りながら、まだ耳まで赤くして…

花を咲かせるためのポイントは

 光喜が寝ているのをいいことに、小津には光喜攻略ポイントを教えた。テーブルを挟んだ向かい側で、床に胡座をかいてこちらを見る顔は真剣そのもの。 しかしそんなに難しいことではない。簡単に言うと飴と鞭の使い方。光喜は甘やかされるのが好きだから性質…

実を結ぶのはまだもうしばらく先か

 酔っ払って完全に落ちてる光喜にため息が出るが、ひとまず桜見物はお開きにしてマンションに引き上げるのが得策だろう。冬悟と顔を見合わせて苦笑いをすると、空き缶をまとめてビニール袋に突っ込んだ。 行きと比べて軽くなった缶は二人で手分けをすればな…

美しい花は自由気ままなものである

 数ミリ先で視線が合って、お互いなぜかふっと息を吐くように笑った。その雰囲気がひどく甘くて、自然と引き寄せられるように口づけをしてしまう。 冷静さなんてもう木っ端微塵だ。この空気に気持ちは逆らえない。唇を食むようにキスをすると、恥じらうよう…

緩やかに咲き誇る気持ち

 近づいた視線をまっすぐに見つめれば、唇が笑みをかたどる。ゆっくりと引き寄せて、目いっぱい抱きしめると冬悟は小さく笑った。伸ばされた腕に抱き込まれて、身体をさらに引き寄せたら二人でもつれるように転がってしまう。「笠原さん、ビール零しますよ」…