その瞳に溺れる08
普段はしおらしく大人しいが、スイッチが入ると淫靡だ。自分から脚を開いて、ねだるように見つめてくる。それに誘われて中へと熱を埋めれば、さらに深くまで飲み込もうとする。いつもよりも熱いそこに我を忘れそうになった。「ぁあっ、……んっ、くりゅ、さ…
街角は恋をする
その瞳に溺れる07
あんな場所で自分の弱い場所をさらして、イかされるなんて恥辱以外なにでもないと思うが、それだけで溜飲が下がるほど自分はお安くはできていない。もし少しでも遅れていたら、もし気づかぬままだったら、そう思うと腹立たしさが増す。 誰が悪いなどと、そ…
街角は恋をする
その瞳に溺れる06
この店とも長い付き合いだ。加賀原の前のマスター、いまのオーナーの頃から世話になっている。一本気な人で、曲がったことやいい加減なことを嫌う、信頼できる人だった。だからその後を継いだ加賀原も、信用していたのだが。 すまんすまんと謝る目の前の男…
街角は恋をする
その瞳に溺れる05
最初のうちは、しゃべりが上手い加賀原につられてよく話しよく笑い、少しばかり機嫌が良くなっているくらいだった。しかし時間が経つにつれて、気持ちが大きく浮き上がってきて、それを表すようにずっとにこにこと笑いっぱなしだった。 そんな竜也の表情に…
街角は恋をする
その瞳に溺れる04
その後の竜也と言えば、終始俯きがちに黙々とパンケーキに向かっていた。頬や耳も真っ赤に染めたままで。 そんなウブな反応が面白くて、のんびりとコーヒーを飲みながら、ずっと眺めていた。けれどそうしているうち視線に、耐えきれなくなったのか「見ない…
街角は恋をする
その瞳に溺れる03
映画が終わる頃には、ハンカチはくしゃくしゃで、泣き過ぎで目が赤くなっていた。啜る鼻をティッシュで勢いよくかんで、またほろほろと涙をこぼす。その顔が可愛くて、指先で涙を拭えばほんのり頬を赤く染める。 しかしなんとなく話の流れを見はしたが、恋…
街角は恋をする
その瞳に溺れる02
大体休日は、デイトレードで値動きを見ながらの一服と読書、さもなくば休日出勤。そして夜には飲みと遊びに向かう。しかし最近は昼間の時間を潰したあとは、竜也の仕事を見計らって、彼の元へ向かうことがほとんどだ。 相手の家で食事をして、のんびりと甘…
街角は恋をする
その瞳に溺れる01
遊ぶ相手は男だろうが女だろうが構わない。見た目がそれなりに良くて、後腐れなく遊べるなら誰でもいい。ただし一回寝たやつと二度寝ることはない。遊びは一夜、それは必ずだ。束縛されるなんてことはごめんだからな。 連絡先を交換なんて絶対にしない。興…
街角は恋をする
街角は恋をする04
昨日の夜に散々教え込んだ性感帯だ。まだ忘れてはいないのだろう。と言うよりも、この身体は快楽に対してまっさらだ。女相手には勃たなかったので、いままで自慰もろくにしてこなかったと言っていた。 なおさら他人に与えられる快楽はたまらない刺激になる…
街角は恋をする
街角は恋をする03
甘露に沈み込むような感覚は一夜明けても抜けきらなかった。夢心地のように目が覚めて、夢でないことを噛みしめて胸を弾ませてしまうほど。「……おい、九竜。なんだか今日は腑抜けてるな」「ああ、野上さん」 ぼんやりと窓の外を眺めていたら、喫煙ルーム…
街角は恋をする