しあわせのカタチ

コトノハ/08

 いつもはあまり聞けない、甘い声が耳から浸食してきて、頭が馬鹿になりそうだ。「先輩、好き。ねぇ、ちゃんと聞こえてる? 広海先輩、愛してる」 ベッドに上半身を埋める、彼の背中に俺の汗が滴る。何回イったか、わからないくらいに、俺に啼かされている…

《小説》しあわせのカタチ

連載*全8話/R18短篇シリーズ:しあわせのカタチ「コトノハ/08」その中にいっぱい詰まった愛おしい想い最後までお付き合いくださりありがとうございました。次は一年以内に更新したいなぁと思います。

コトノハ/07

 静かな室内で粘る水音と、広海先輩の上擦った声が混じり合う。 相変わらず口を覆っているが、熱い息が指の隙間からこぼれて、かなり限界が近いのがわかる。「可愛い。先輩、めちゃくちゃ可愛い」 すぐにでもイキそうなんだな、というのが手のひらに伝わっ…

コトノハ/06

 駅前でタクシーを拾って、広海先輩を押し込んだ。嫌そうな顔はしていたけれど、気が引ける部分があるのか、大人しかった。 そこにつけ込む俺は、なかなかに最低な気がする。だとしても早く、二人っきりになりたかった。「お前、明日は朝早いんじゃなかった…

コトノハ/05

 ものすごくなにか言いたげな目で、見つめられている。それでもようやく、追いかけてきてくれたのかと思えば、嬉しさが湧く。 だが咎めるみたいな目で見られる、理由はさっぱりわからなかった。「なんで広海先輩が怒ってるんですか?」「それは、お前が」「…

コトノハ/04

 思いがけない展開に、身動きできず立ち尽くしてしまう。 それなのに恋人は、こちらの反応に慌てる素振りもなく、なんらいつもと変わらない顔をしている。 ものごとを誤魔化したりしない人だから、やましいことは一つもないってこと、なのだろう。 だとし…

コトノハ/03

 抵抗しようとする身体を押さえつけ、口の中をたっぷりと荒らす。すると鼻先から、小さな声が漏れ聞こえてきて、たまらなく興奮を煽られた。 口づけの合間に彼を見つめれば、ほんのわずか、潤んだ瞳に見上げられる。「広海先輩、すごく可愛い」 愛おしさが…