邂逅-10

 ポツリポツリと小さな雨粒が頬へ落ち、僕はその冷たさに目を瞬かせた。気づくと僕は、道路の真ん中で一人立ち尽くしていた。行き交う車の流れは速く、どうやってここへ来たのかさえわからない。真っ暗な空の下、煌々と灯る光の渦に飲み込まれ、身体がふわりふわり揺らめいているような気もした。
 けれどそんな僕の腕を誰かが強く掴み引き寄せた。

「いまここで死んだら、あなたは楽になるかもしれないけど、あとに遺された人はどうするの」

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