ガクガクと膝を震わせる冬悟はだらだらと蜜をこぼしながら余韻に浸っている。涙声の嬌声がか細く、縋り付いてくるようでさらに気持ちが高ぶる。
さらにうねる中をさらに何度も突き上げれば、泣き出しそうな声を上げて善がった。そしてシーツを引き裂く勢いで掴んで、閉まらなくなった口からは唾液がこぼれる。
「ひっぁっ……あっ、だめ、だ、め、待っ、て、ぁ……んっんっ」
「駄目じゃないでしょ。中がめちゃくちゃ絡んですごい悦んでる。そんなに気持ちいいんだ? ほら、ちゃんと口開けて」
「……んぁっ」
唇を引き結ぼうとする冬悟の口に指を突っ込むと、あっという間に唾液まみれになる。それでも構わず舌を指の腹で撫でてあげると絡みついた肉壁がきゅっときつく締まった。その締め付けがたまらなくて押し広げるように抽挿を繰り返す。
「あ、ぁっんっ、かさ、はらさんっ、もっと、奥、んっ」
「可愛い、もっと啼いて」
「はぁっ、ぅんっ、いいっ……ぁっ、あぁっ」
再び閉まらなくなった口からか弱い甘やかな声が聞こえてきた。感じすぎて泣き出す冬悟が可愛いって思う俺は案外Sっ気があるのかもしれない。かなりゾクゾクする。
「……んんっ」
もう力が入らないのだろう冬悟の上半身は完全にベッドに沈み込んでいた。それでも腰を掴んで離さない俺のせいで弓なりに腰がしなっている。その曲線がやけにいやらしく見えて思わず舌なめずりしてしまった。
「冬悟さん、もしかしてイキっぱなし? ねぇ、顔見せて」
ひっきりなしに切羽詰まったような声が聞こえて、蜜が次から次へと溢れている。それに気づくと押し込んでいたものを抜いて身体を仰向けに転がした。
「うわぁ、めっちゃとろとろ、すげぇ可愛い」
ぼんやりとした目は熱に浮かされて焦点が合わなくなっている。半開きの唇は真っ赤に色づいて、口の端からこぼれる唾液で顎までベタベタだ。いつもなら顔を背けるのに、いまはその余裕もないのか潤んだ目で俺を見上げてくる。
「ヤバイ、その顔だけでイケそう」
しかしまだ冬悟の身体を味わいたくて疼く熱は押さえ込む。そして足を抱え上げてドロドロになっている窄まりに凶悪なほどに張り詰めた熱を突き立てた。しかしその瞬間、冬悟の身体がビクビクと大きく跳ね上がる。
「え? 冬悟さん、ドライでイっちゃったの? 初めてだよね?」
糸が切れたようにくたりとする身体と途切れ途切れの吐息が余韻の強さを物語っていた。縋るような目で見られて、そっと手を伸ばせばしがみ付くように腕を掴まれる。震える指先がいじらしくて、身を屈めてそっと唇にキスを落としてあげた。
「さすがにしんどいか」
乱れた髪を梳いて撫でると、頼りなげな瞳に笑みを返す。そして埋めていた熱を引き抜こうとしたが、手が伸ばされて俺の腕を強く引いた。
「笠原、さん」
「ん?」
「抜かないで、ください」
「え? でもこれ以上きついだろ?」
「大丈夫、です。だから、最後まで、して、欲しいです」
「冬悟さん、そんな可愛いこというともっとがっついちゃうけど」
じっと瞳を見つめるとその目は照れたように俯く。けれどすぐに視線が持ち上がってまっすぐに見つめ返される。熱の灯った色気を含むその視線に、誘われるままに再び熱を押し込んだ。
ゆっくりと律動を繰り返すと盛り上がった涙が頬にこぼれた。その涙を唇で拭うと伸びてきた腕に背中を抱き込まれる。
「冬悟さん、気持ちいい?」
耳元に問いかければ、それに応えるように背中に回された腕に力がこもった。その小さな反応が可愛くて、吐息を漏らす唇を塞げば求めるように舌が伸ばされる。たっぷり口の中を愛撫するように撫で上げるとまたひくりと身体が震えた。
「可愛い」
涙いっぱいの瞳に自分だけが映っているのを見ながら身体の奥に熱を注ぎ込む。うっとりと細められた目に口元が緩んだ。
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