告白03

 ゆるりと口角を持ち上げ、にやりと悪い笑みを浮かべた片平に顔が引きつる。そしてそれと共に背中を冷たい汗が伝ったような気がした。「なにその反応。怪しい、藤堂優哉が気になるの?」「え? あ、それはちょっと色々あって」「ふぅん。そう、色々って?」…

告白02

 一人になった空間で僕はぼんやりと窓の外を眺めていた。 二階の窓から見える景色の中では、わずかに残るピンクの花がゆらゆらと風に吹かれ揺れていた。もうすでにほとんどが葉桜になりかけているが、それでも柔らかい色合いは見ていて心が和むものだ。 し…

告白01

 僕はどこにでもいるような、ごくごく普通の高校教師だ。 けれどそんな自分にごくごく普通ではない、思いの寄らない言葉が投げかけられた。そしてその言葉に思わず口を開けたまま、僕は時間が止まったように身を固めてしまった。 視線の先で彼は、間抜けた…