夢のような現実
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 朝、目が覚めたら顔にもふもふとした毛の感触がした。ぼんやりとした頭で昨日のことを振り返ってみるが、犬猫を拾ってきた記憶はない。
 昨夜拾ってきたのは好みにドストライクな長身イケメンのはずだ。飛び交う疑問符を頭に浮かべて恐る恐る目を開いたら、毛足の長い真っ黒な毛と肉球。

「……デカ!」

 横たわるのは体長一メートル以上ある大型犬。すぴすぴと鼻を鳴らして眠っている。慌てて毛布を剥いで起き上がったら軋んだベッドの振動で目を覚ます。

「あ、おはようございます」

「しゃべった!」

「やばっ! しまった」

 驚いた俺の声にパチパチと瞬きした黒い犬は次の瞬間、見覚えのある浅黒い肌の男に変わった。これは夢か? 頬をつねったけれど十分に痛かった。

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