抱きしめたい
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それなのに、柔らかくて甘い囁き声だけが消えてくれない。
悲しそうに呟いた彼の声が掠れて小さくなる。
なくしてしまったものを掴もうとする手が空しく握りしめられる。
寄り添う僕の声など、届いていないのかもしれない。
それでも離れることはできなかった。
もう二度と君を一人にしたくない。

「#文芸リレー」より
最後の文、台詞を最初の文にして書く

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