しおりを挟む 前 次 抱きしめたい 20/28 それなのに、柔らかくて甘い囁き声だけが消えてくれない。 悲しそうに呟いた彼の声が掠れて小さくなる。 なくしてしまったものを掴もうとする手が空しく握りしめられる。 寄り添う僕の声など、届いていないのかもしれない。 それでも離れることはできなかった。 もう二度と君を一人にしたくない。 「#文芸リレー」より 最後の文、台詞を最初の文にして書く しおりを挟む Message