恋のステップアップは急上昇!

初めての気持ちいいこと

 身体の内側に、お湯が入り込むという違和感で、ふるりと幸司の肩が震える。しかし真澄は遠慮もなく指を動かし、さらには尻の孔を広げた。「あっ、やっ、真澄さんっ、なにしてるの? そ、そんなとこ、き、汚いよ!」「なにって、真澄のこのふっといのを、こ…

思いがけない再会

 忘れようもない、整った美しい顔立ち。すぐ傍にある真澄の顔に、幸司の声が上擦る。「ま、ます、み、真澄さんっ」「やぁっと顔上げたぁ。もう、ずっと視線を送ってるのに気づいてくれないんだから」「ご、ご、ご、めんなさい。全然声とかわからなくて、顔と…

友人たちの嘘

非日常というものは、通り過ぎると夢や幻のように思えてしまう。 現実の慌ただしさに追われているうちに、思いがけずカメラを構えたあの日から、二週間も過ぎていた。 いつもなら少しばかり長く感じる時間が刻刻と過ぎていき、焦りすら覚える。 学校の講義…

綺麗な花嫁さん

 いざ撮影となると、緊張感が増す。授業でスタジオ撮影は経験があり、手順も覚えている。素材はこの上なく良いので、撮る側の腕のみだ。 しかしそれが一番の問題とも言える。「こうちゃんの準備ができたらでいいよ」「は、はい」「カメラの準備って言うより…

お願いのお願い

 引き止められた人は、大きく瞳を開いて幸司を見ている。突然のことに驚いたのだろう。深みのある赤色のルージュで彩られた唇は、言葉を紡げずにいるのか薄く開いたままだ。 その表情にどうしようかと、幸司は逡巡した。しかしここで引き下がっては、せっか…