Sweet☆Sweet~蜂蜜よりも甘い彼氏ができました

優しい恋人とおねだり

 家に着くなり、またなし崩しに――そう予想していたのに、伊上は以前のようにがっつくことはせず、紳士的に天希を風呂へと促した。 少しばかり拍子抜けではあったが、別段あのシチュエーションが良かったわけではない。 たまに、くらいであれば、一方的に…

何度だって言える

 二ノ宮家に帰り着いたのは日の暮れた頃だった。成治たちの心配をしていた天希は、すぐさま二人を居間に呼んだ。 田島の顔に青あざの一つや二つ、想像していたのに、現実はそれとは大きく異なっていた。その有様を見て、天希は自分を膝に乗せる恋人を睨み付…

二文字の想いを込めて

 伊上の誕生日と、成治と約束した日が被っていると気づいたのは、あれから数日後。 いまさら約束を反故にするのも気が進まず、昼間に成治と出掛け、夜に伊上と食事をする約束をした。 本人は自分の誕生日に関心がないのか、プレゼントなどくれなくてもいい…